技術への誇りが、腕を磨く。

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ナカサクの仕事「モーター用角シャフト」

“職人技”と称される技術がある。
それを育み磨き上げるのは、仕事への誇りにほかならない。
そんな目と精神が、旋盤に注がれる。



モーターを製作する、あるメーカーから依頼があったのは、モーター本体に使われるローターと呼ばれる角シャフトだった。まわりにコイルを巻き、磁力を発生させ回転力を伝えるモーターの中心となる部品だった。

支給された鍛鋼素材から、旋盤マシニングを使いながら削りだしていくのだ。軸となる部分には丸い加工を、コイルを取り付ける部分には正多角形とミゾの加工が要求される。モーターとして完成したあかつきには、高速で回転する部品である。少しのぶれも許されない。高い精度が要求された。

それに応えるのは、技術者の“職人技”にほかならない。機械加工を行う設備は、年々よくなっている。だが、精度を決定づけるのは設備ではなく、人なのだ。一部を加工していると熱を帯び、その部位が伸びてくる。反対側を加工しても、もとに戻ることはない。機械加工においては、その加工順序を決めることが非常に大切になってくる。それは、熟練の技術者の経験からのみ割り出すことができるものなのだ。

“これぐらい削れば許容範囲におさまるだろう”“これぐらい粗加工のままで残しておけば、仕上げはうまくいくだろう”。つねにゼロは、ありえない。その近似値にいかにどれだけ近づけるかが、職人技の真価が問われるところなのだ。

熱の伝わりにくい道具を選び抜いた。作業にかかる前の準備は万全に行った。加工部分の熱を抑えることに心血を注いだ。加工中に生じる曲がり、熱、音の変化から、かたときも注意をそらさなかった。満足するものをつくってみせる。そう決意させるものは、仕事への誇りであった。それが、職人技を磨き上げ続けているのだ。

やがて、完成した角シャフトは、製鉄所のロール駆動装置として組み立てられ、世界の製鉄所で、いまも稼働を続けている。


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