0.1mm以下の誤差に抑えろ。

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ナカサクの仕事「射出整形機ダイヘッド」

機械加工は、つねに温度との闘い。
その時、突破口を見いだすのは熟練した技術者の技。
刻々と変化するその先を読む目が光る。


ダイヘッドと呼ばれる部品がある。自動車のバンパーなど大型樹脂の射出整形を行うときに金型を取り付ける定盤のことである。依頼は、重工業分野の大手メーカーからだった。鋳造されたダイヘッドが運び込まれて来た。一辺が約3m、重さは約50トンの巨大な部品である。これにナカサクが機械加工を行い、依頼主で組み立てた後に、射出整形メーカーに納入されるのである。

図面には、ダイヘッドの四隅にシリンダーが描かれていた。金型を装着した2つのダイヘッドに4本のシャフトを通し、それに沿って両側から押し付けることによって正確な射出整形を行うのである。シリンダーの直径は600mm。その大きさは、加工を困難にするに充分の大きさだった。許される誤差は、0.1mm以下。つまり、シリンダーの直径を600.0mmから600.1mmの間で仕上げなければならないのだ。

技術者の闘いが始まった。ダイヘッドの素材である鉄は、温度が1度上がれば、6ミクロン伸びる。10度上がれば60ミクロン、20度上がれば120ミクロン伸び、このダイヘッドの場合、そこで不良となる。もちろん、シリンダーを削る刃物も熱を帯びると膨張するし、さらに完成後に稼働させれば当然シリンダーは熱をもち、膨らんでくる。その誤差を考えながらの作業が続く。

ひとつの判断の誤りも許されない。工作機械の状態は、どうか。刃物はまだ大丈夫か。予想を超えた状況が、次の瞬間に訪れるかも知れない。その時、技術者の技が試される。さまざまな状況に、柔軟に対応できることこそが、経験を積み重ねてきた技術者の“技”なのだ。

そしてダイヘッドは完成した。さまざまな測定が行われ、依頼主に納入され、さまざまな会社から持ち込まれた部品が組合わされ、稼働試験に入った。完ぺきに、動いた。担当した技術者の顔に、笑みが広がった。


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